今回の記事はボルダリングの上達で悩んでいる人に向けたアドバイス記事となっています。
特に!3級で止まってしまったという方へ向けて書いていきたいと思います。
3級をトライしているということはボルダリングを始めて数か月~2年くらいの方が多いはず。
ボルダリングを続けていく中で最初に当たる大きな壁は3級です。
4級と3級ってかなり違いますよね。
クライミング能力や技術的にも大きな差があります。
逆に言えば、3級をコンスタントに登れるようになれば中級者の仲間入りとハッキリいえるでしょう。
この記事を参考にボルダリング中級者へのランクアップを目指していきましょう!
筆者はクライミング歴10年目、ジムスタッフ歴5年目のクライマーです。
身長150㎝、オンサイト2段/最高グレード3/4段です。
最近は他店のルートセットにも呼んで頂けるようになってきました!
今までの多くのクライマーを見てきた筆者が3級を登るために必要だと考えていることなどを教えていきます。
ボルダリングのグレードにおける3級の位置
段級で表した場合、現在のボルダリングのグレードは10級~6段まで存在します。
ざっと分けると10級から6段までの16段階あるといえます。
段には二段+など(+/-)もあるため、正確には更に細かい分け方になりますが今回は16段階であると表現させて頂きます。
10級はハシゴを登るくらいで9級は10級とのグレード差は分からないくらい簡単だと言われています。
クライミングジムにあるのは大体8級から3段くらいです。
その場合、3級は下から数えて6番目、上からも6番目と中間部に位置しています。
現在のクライミング界では中間層(中級者)の立ち位置といえます。
3級を登るために求められる能力とは?
3級を登るために必要などれくらいの能力が求められているのでしょうか?
セッター的な目線も含めて説明していきたいと思います。
筆者が3級に求められると考えているのは上記の3点です。
これらについて詳しく説明していきます!
すべての種類のホールドやムーブへの平均的な対応力
ボルダリングには多種多様なホールド・ムーブがあります。
まず、3級ではほとんどの種類のホールドは保持できることが前提になってきます。
特定のホールドに苦手意識があるという人は3級からは結構厳しくなってくるように感じます。
ムーブについても同様で、ランジ、デッド、ヒールフック、トウフックなど3級ではほとんどのムーブをある程度こなせるレベルになっている必要があります。
その理由として、ルートセットの際にも4級まではムーブの練習になるような負荷の低いものを取り入れることが多いのですが、3級からはしっかりとムーブをこなさないといけないように設定することが多いからです。
同じヒールフックでも4級なら荷重があまりかからない形になっていますし、ヒールフックをしっかりかける場合でもかかりの良いホールドを使うなど他で分散できるようにして負荷を下げたりします。
ですが、3級からはヒールフックがかなり効いていないと苦しくなるような課題が多いです。
3級では課題ごとの特徴を見極め最善のムーブを選択していく必要があるとともに出力や技術力も4級以上のものが求められます。
3級からはすべての種類のホールドやムーブへの平均的な対応力が求められるので、自分の武器を見つけるとともに苦手を克服していくことも必須となってきます。
自重をしっかりとコントロールできるだけのフィジカル
次に求められている要素はフィジカル(筋力や体幹)です。
3級の課題では自重をしっかりとコントロールできるだけのフィジカルが求められます。
しっかりとコントロールするとは言っても、強いクライマーのようにキャンパ(足を使わず手だけで登ること)をできないといけない、懸垂を余裕でできないといけないということではありません。
手だけでぶら下がって足を右から左へ移動したり、多少の振られには耐えられる必要があるということです。
3級をセットするときには意図的に足をきらせるようなムーブ、ハイスタンス、ガストンなどの強度の高いムーブを選択させるようにセットすることが多々あります。
一例として、セットしていく中で4級と3級の狭間のグレード感の課題が出来た場合、4級ではフットホールドをつけるが3級にするならつけないという様に調整することもあります。
3級からは自重をしっかりとコントロールできないと苦しくなる場面が多くなってきます。
クライマーにオススメのトレーニングについての記事も書いているので、ぜひ参考にしてみてください!
何度も課題へトライするメンタル
4級とは違い3級からは明確な核心をつくることが多いです。
核心とは課題内の最難関部のことです。
ルートセットの際には「ここで何回か落ちるだろう」と思いつつ課題を作成します。
そして、3級を頑張って登るくらいの実力の人は大体落ちます。
核心はここを突破してこそ3級クライマーだ!というセッターからの熱い気持ちが入っているこだわり部分でもあるので諦めずに何度もトライしてほしいです!
諦めずに何度も挑戦する気持ちはグレード問わず必須ですが、最初の大きな壁である3級を乗り越えるためにはより一層強いメンタルが求められます。
ボルダリング上達のカギは「頻度×時間×質」
あなたはどれだけの時間をクライミング・ボルダリングに費やしていますか?
ボルダリングの上達には登りの「頻度×時間×質」というのが重要だと筆者は考えています。
これは初心者から上級者までの全ての人に当てはまります。
ですが、 頻度・時間・質のどこに重点を置くのかはクライマーのレベルによって変わってきます。
3級を目指している場合は「頻度と時間」から見直していきましょう。
頻度と時間を見直して頂きたい理由は【伸びしろが大きい】からです。
何事でもそうですが、初めて~中級者あたりまでは数をこなしていけば自然と上達していきます。
「質」に関しては後から追及できるので今は気にせずに登る頻度と時間を増やしていくことがオススメです。
まずは、1週間に2回2時間を目安にしてみてください。
週1回しか時間が取れない方は1回3時間くらいを目安に時間を確保していきましょう。
1週間に2回2時間 の「頻度×時間」を継続していくことが出来たなら3級を登るための十分な練習量が確保できていると考えて良いと思います。
まずは、登りに行く時間を増やしてみましょう!
最低でも週1回は登りに行きたいところです。
今年の目標などを決めて各週の時間配分を考えてみましょう!
目標設定の大切さと具体的な方法に関する記事も書いていますので、目標設定の方法がよく分からないという方は参考にしてみてください。
上達のためにもオーバーワークは禁物
「頻度と時間」が重要なら、クライミングジムに通う常連さんのように週3~4、5日以上で何時間も登っている方たちのように登れば上手くなれる!と思ってしまうかもしれませんが、絶対に真似してはいけません。
同じような頻度で登ってしまうと故障してしまう可能性がとても高いです。
その理由として「指の関節・腱へのダメージが大きい」ということがあります。
登ることは手の指への負担がとても大きいです。
特に、指の腱は短時間では鍛えることは出来ず、一度痛めてしまうと完治するまでに時間を要します。
指自体を強くするためには時間をかける必要があり、短期間でやればやるほど強くなるというわけではありません。
指力の向上には多くの時間と地道な継続がとても重要です。
そして、練習時間が同じ100時間だとしても、「週4×3時間の2か月弱」と「週2×2時間の半年弱」だと後者の方が故障のリスクが少なく、疲労の取れたフレッシュな状態での練習が可能であり上達のためにも良いと筆者は考えています。
短期間の成長具合では前者の方が速いですが、怪我や故障のリスクも高いです。
最初のうちは指も弱く怪我や故障をしやすいので焦らずに継続していくことが重要です。
指が鍛えられてくると自然と登れる時間も増えてくるので後々追い付けますし、クライミングを長く楽しみたいのであれば怪我や故障のリスクはなるべく避けることをオススメします。
練習強度を高くしていくのは後々で問題ありません。
まだ指や体が出来上がっていないうちは 1週間に2回2時間 を目安に指や体のケアをしっかりと行いつつボルダリングを継続していきましょう!
登りすぎて指が痛くなるのは何度も見てきました。
適切なケアをしつつ沢山登りましょう!
3級を登れるようになるためにしてほしい3つのこと
やってほしいのは以下の3つです。
- 様々なグレード、種類、傾斜の課題を触ること
- 自分の登りを動画に収め確認すること
- 一緒に登る仲間・師匠を見つけること
今の時点でしていることはありましたか?
では、なぜこの3つをしてほしいのか説明していきます。
1. 様々なグレード、種類、傾斜の課題を触ること
まず1つ目は「様々なグレード、種類、傾斜の課題を触ること」です。
最大の理由はホールドの保持やムーブを上達させるためです。
3級を登るために求められる能力として、すべて種類のホールドやムーブへの平均的な対応力というのがあったと思います。
多くのムーブやホールドがありますが、3級までのグレードでほぼ全てが出尽くしています。
1級からしか出てこない、初段からしか出てこないといったムーブやホールドはほぼありません。
1級と3級では強度の差はかなりありますが、新しいムーブやホールドは出てこないと思います。
3級を登るためには多くのムーブやホールドに慣れ親しんでおく必要がありますし、「頻度×時間」が大事とも書いているように多くの時間登ってほしいので「様々なグレード、種類、傾斜の課題を触ること」が重要です。
そして、伸び悩んでいるクライマーには以下の2つの傾向があります。
特定の3級の課題を目標とするのは良いことですが、それだけを打ち込むのはオススメしません。
最高グレードの課題は強度が高いため、試行回数は必然的に減少します。
同じ課題に固執して一日を10トライほどで終わってしまうのは上達への近道とは言えません。
また、特定の傾斜だけを登ってしまうのは多くの課題をトライすることの妨げになってしまいます。
初心者の方はスラブ・垂壁・緩傾斜に集まりがちですがジムの壁の半分ほどしか使えていないことがほとんどです。
強傾斜にも5級や6級といった易しいグレードの課題は必ずあるので果敢にチャレンジしてほしいです!
「頻度×時間」の確保のためにも1つの課題・特定の傾斜だけに固執せずに全ての傾斜の3級までを満遍なくトライしていきましょう。
触れそうな課題があるのであれば2級にもぜひ挑戦してみてください!
とは言っても、3級を登りきるためには特定の課題に打ち込む時間は必要になってくると思います。
1回2時間だとしたら、30分くらいを目安として目標課題にトライしてみましょう!
自分の登りを動画に収めること
2つ目は「自分の登りを動画に収めること」です。
自分の失敗や成功の原因はどこにあるのかを徹底的に調べることが出来るからです。
筆者も数年前から動画を撮ることを始めたのですが、動画を撮って自分の登りを確認するのは本当にオススメです!
自分の登りを別の視点から見ることはかなり大きな気付きをもたらせてくれます。
成功と失敗の動画があれば、どこが違うのかを知ることが出来ますよね。
また、失敗したトライでも足の位置、保持の仕方、体の動かし方などで違いがあります。
自分の登りを徹底的に分析して成功に少しずつ近づけていきましょう!
一緒に登る仲間・師匠を見つけること
3つ目は「一緒に登る仲間・師匠を見つけること」です。
同じ課題でも身長・パワー・テクニックなどが違えばアプローチの仕方も異なってきます。
一緒に登る仲間・師匠がいれば多くのムーブやテクニックを見て学ぶことができ、自分だけでは気付くことが出来なかったアプローチの仕方を知ることも出来ます。
周囲の方のふとしたアドバイスでサクッと登れることもよくあるので他のクライマーからもヒントを得てみてください!
特に、師匠として自分と同じ身長やなどが同じで上手な人がいたら最高ですね。
一緒に登る仲間・師匠がいれば上達速度はかなり上がります。
3級を登るためのヒントも沢山見つけることができますし、同じ課題に打ち込めるクライマーがいたら頑張れること間違いなしです!
ただし、自分で考えるということが上達するためには最重要なのでお忘れなく!
楽しく登れる仲間を探してみましょう!
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まとめ
今回の記事は3級で止まってしまったという方向けに書いていきました。
筆者は1つ目の3級は打ち込んでから登るまでに3か月近くかかりました。
4級とはかなりの差を感じる3級というグレードですが、諦めずに登り続ければ必ず登れるようになります!
今回の記事を参考にしてトライを続けてみてください。
これを読んで頂いた方のクライミング人生がより良くなっていけば嬉しいです。
今後も皆様がクライミングをより楽しんでいけるような記事を書いていきたいと思います!
今日も楽しくガンガン登っていきましょう!
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