※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
今回の記事はクライミング初級者~中級者の方向けです。
みなさん、キャンパスラングを用いたトレーニングはしたことありますか?
ほとんどのジムにあるキャンパスラングですが、使っているのを見たことがない人も多いのではないでしょうか。
細長い木が縦にたくさん並んでいるのを見たことがあると思います。
それがキャンパスラングです。
というわけで、今回はキャンパストレーニングの有効性とキャンパスラングの使い方について書いていきたいと思います。
基本的にキャンパスラングを用いてのトレーニングは負荷が高く、上級者向けとされています。
ですが、初級者~中級者でも負荷を軽くすることでキャンパスラングを上手く活用しトレーニングをすることが出来ます。
今回はキャンパスラングの本来の使い方とは少しだけ異なりますが、指力ではなく神経系強化に特化した内容としています。
1級や初段以上を登る上級者だけでなく、4級~2級に励んでいる中級者の方にも読んでほしい!
キャンパスラング・キャンパスボードとは
一言で表すとキャンパスボードは「細長い木が一定間隔で並べられている壁」です。(笑)
キャンパスラングは横長の木のホールドともいえるのかな?
↓下の写真のようなものです。
よく見かけるものとしてフィンガーボードがありますね。
フィンガーボードは一番有名なビーストメーカーをつけているジムが多い印象です。
同じようなものだと思われがちですが使い方が異なります。
キャンパスラングはフィンガーボードのようにぶら下がるだけでも効果的ですが、キャンパスラングトレーニングでは【動くこと】が重要だと僕は考えています。
ここに関しては後述していきます。
キャンパスボードという名称は、故ヴォルフガング・ギュリッヒが 1988 年に初めてこのトレーニング器具を設置した場所が、ニュルンベルクのキャンパスセンターと呼ばれるジムだったことに由来します。(キャンパスラング (lostarrow.co.jp))
という小話も載せておきます(笑)
メトリウスのキャンパスラングの取扱説明書に記載されていますので興味のある方は上のリンクから見てみてください!
キャンパストレーニングの優位性
- 指の強化(腱の強化)
- 上半身の筋力強化
- 前腕の強化
- 回復機能の向上
- 神経系の伝達速度の向上
- 距離感覚の向上
などが挙げられますが、僕がキャンパストレーニングを勧める最大の理由は神経系の伝達速度の向上です。
中級者の方や伸び悩んでいる方には神経系が重要だということをぜひ知ってほしいです!
神経系の重要性
神経系のトレーニングになるということがよく分からないと思うので解説していきます。
キャンパストレーニングをする際には腕だけでぶら下がった状態からデッドやダブルダイノのような状態で次のキャンパスラングに手を出します。
この練習であることが非常に重要です。
ぶら下がった脱力の状態から一瞬体を引き上げて手を出すというのがデッドの練習になるのはもちろんですが、この際に指先は低出力から一瞬で高出力に切り替えないといけません。
これが神経系に効いてきます。
神経系を鍛えるのが重要な理由としてはホールドに指が接触した際の力の入り方が大きく変わってくるからです。
デッドやランジ、コーディネーションなどのダイナミックな動きが苦手な人の中には体の動かし方は悪くないのに何故か出来ないという方が多く居ます。
その原因の1つは神経系が鍛えられていないためです。
ホールドに接触した瞬間に指の最大出力が出せる人と接触してから徐々に最大が出てくる人がいる場合、前者の方が圧倒的に登れます!
ダイナミックな動きでは動き出しの瞬間にも指に高出力になること求められるので、動き出しの瞬間・その後の接触の瞬間という短い時間に何回もの出力調整が求められます。
ガバからランジする際にも、脱力して沈み込み→保持して飛び出す→ホールド離して飛び出す→ホールドに触れる→保持して振られを耐える。
という工程を無意識のうちに行っていて、基本的には多くのクライマーが無意識のうちに習得しています。
出先や持っているホールドにもよりますが、高グレードになればなるほど繊細な出力調整が必要になります。
最後の保持して振られを耐えるという工程ではより素早い出力調整が求められていて、振られ始めるまでに必要な保持力に達していない場合は指が伸びたりして落ちてしまいます。
届いて保持してる感覚があるのに止まらないという原因はここにあると考えています。
ホールドに接触した瞬間の力の入り方は上図のように表現することが出来ると思います。
デッドやランジ・コーディネーションのようなときにはホールドに接触してから力を込めるまでに1秒もかけていられないです。
保持に100%が必要だとすると同じ出力であったとしても出力までの時間の差がある場合、圧倒的に出力が早いほうが有利ですよね。
ダイナミックな課題だけでなく、普段の登りにおいても出力までの時間が短いほうが有利なのは変わりません。
一瞬で力を込められるなら持ち直しを何回もする必要もなくなります。
このような理由から神経系のトレーニングはクライミングに必要だと考えているのですが、数多くあるトレーニングの中でもキャンパスラングが最も有効だと感じています。
ダイナミックな課題に取り組むというのも確かに大事ですが、神経系を鍛えるという点に重点を置くならキャンパスラングでのトレーニングの方が圧倒的に短い時間で多くの回数をこなすことが出来ます。
オブザベーションをして課題に取り掛かり、課題に取り付く毎に一回だけ、他のクライマーが登っている間は待ち時間にもなります。
キャンパスラングが5本もあれば1往復で10回近くの練習になります。
時間にして5分もあれば何十回という回数をこなすことが出来ます。
薄いラングであればフィンガーボードと同様に指を鍛えることも出来るので更に効率的です。
あまり活用されていないキャンパスボードですが、神経系の伝達速度の向上という一点だけに着目しても優位性が感じられると思います。
成果が感じ取りやすい腱の強化や上半身の筋力強化ばかりに着目されていますが、神経系という目には見えなくても重要な部分である部分を鍛えることができる最高の設備であるといえるでしょう!
キャンパスボードの使い方・練習方法
さぁ、ここからは練習方法です!
今回は神経系を鍛えることだけに着目したトレーニングです。
とても簡単なので、ぜひトライしてみてください。
まず、神経系に特化したキャンパストレーニングは薄いラングでやるのはあまり良くないと思っています。
その理由として、
- 指をケガする確率が高くなる
- 負荷が高い必要はない
ですが、キャンパスラングは元々高負荷のトレーニングとなっています。
メトリウスの取扱説明書に記載されているように考案者はヴォルフガング・ギュリッヒです。
この方、昔からクライミングをしている方は知らない人の方はいないぐらいの有名な方で【アクシオン・ディレクト】9a・5.14dという課題を登るためにキャンパスラングでのトレーニングを始めました。
ワンフィンガーやツーフィンガーのパートがある指への負荷がかなり強い課題であるため、指や前腕への徹底的なトレーニングのために用いられたのがキャンパスラングです。
ちなみに、ヴォルフガング・ギュリッヒはアクシオン・ディレクトを1991年に完登しています。
そんな高強度の課題を登るためのトレーニングであるためキャンパストレーニングには相当な負荷があるのですが、神経系の鍛えるためというのであれば話は別です。
ガバのキャンパスラングでも十分な効果が得られるので大丈夫です!
練習方法1 基礎編
キャンパスラングに10秒ぶら下がり・20秒休憩×5セット
これが出来るなら基礎はOK!
練習方法2 神経系トレーニング
足ありでキャンパスラングに取り付く。
左手を1つ上に出す→左手を戻す
右手を1つ上に出す→右手を戻す
これで1回として5回行う×3セット(セット間休憩1分)
負荷を増やしたい場合は2つ上に出したり距離を出すのも有効ですし、クロス出しにしたり、薄いラングでやる、足ブラでやるというのが考えられます。
下手な絵ですが、このような感じです!
最後に練習方法をまとめたTwitterの動画を埋め込んであるので参考にしてみてください!
練習方法3 神経系トレーニング
地面からジャンプしてキャンパスラングに3秒ぶら下がるのを10回×3セット(セット間休憩1分)
降りたらワンクッションおいて、すぐに飛び付いてください!
こちらのイメージはこのような感じです。
ちなみに、練習3はキャンパスラングでなくても効果大です!
僕はスローパーが苦手だったのでジム内からジャンプして届くスローパーを探して同じことをしていました。
それが出来るようになったら更に悪いのを探してという風にやっていたらスローパーが持てるようになりました!
人が多いときにやると目立つし迷惑になるかもしれないので周囲の状況を確認しながらチャレンジしてみてください。
大きいボテ、左右別々のカチ、上下違いのガバなど。
バリエーションは自由自在です。
苦手な分野に特化させて行ってみるのもかなり効果的です!
これは僕がキャンパスラングを足ブラで上まであがれない時にしていたトレーニングです。
毎日やる必要はありませんが、ガバでやると負荷がかなり低いのでウォーミングアップに取り入れるものアリだと思います!
1週間に1回でも良いので継続してみてください。
今まで意識してなかった人は登りの調子が良くなると思います!
薄いラングでやると更に効果的ですが負荷も高くなるので注意です。
ラングを変えるときは練習1の基礎編からやってみてクリアできたら2,3といくのが良いと思います。
ピンチに強くなりたい人はピンチのキャンパスラングでやると効果的です。
スローパーに強くなりたい人はスローパーで挑戦してみてください!
↓こんなキャンパスボードがあると最高です!
練習方法1~3は動画にしてTwitterに載せていますので、以下からアクセスして参考にしてみてください!
たまにやる地味トレを紹介します!
— トウマ@クライミング×ブログ(FULL CRIMP) (@DiaryToma) November 10, 2021
一部は「キャンパストレーニングのすすめ」という記事に載っているものです。
指の調子確認やウォーミングアップとして行っています!
体の連動性なども高まるのでオススメです!
あと4つ続きがあります👍#クライミング#ボルダリング#トレーニング pic.twitter.com/ul9M40k1ZR
その他のオススメトレーニングはこちら
まとめ
今回はキャンパスラングの優位性と使い方について書いてみました!
キャンパスラングを最大限に活かした使い方ではないかもしれませんが、多くのクライマーが取り組むことができるとともに強くなるきっかけになればと思っています。
多くのクライミングジムにはキャンパスラングが併設されているので、自分が強くなるために使えるものはどんどん使っていきましょう!
登るだけでも強くなれると思いますが、効率的なトレーニングによって成長率は格段に向上すると僕は考えています。
重要な部分ではありますが、普段から神経系を意識してトレーニングしているクライマーはそう多くはないと思います。
また、神経系に関しては登っているときに意識的に行うことはとても難しいものなので実感することも難しいでしょう。
ですが、意識的にトレーニングを行い、無意識下で行えるようにすることがとても重要であり、トレーニングの本質といえるのかなと僕は考えています。
この記事がみなさんのクライミングライフをより良くしていくきっかけになると嬉しいです!
ここまで読んで下さり有難うございました!
また次の更新をお楽しみに!
コメント