今回は「限界グレードを更新するにはどうすれば良いのか」という部分を記事にしていきます。
自分の経験談に加えて、現在壁にぶつかっている人でモチベーションが下がり気味、どうしたら突破出来るのか分からないという人向けに僕なりの解決方法も書いてみたので最後まで読んでみてください!
僕はリードなどのロープクライミングは全然やらないので今回はボルダリングに関して書いていきますが、リードなどでも同様のことがいえるかもしれないので参考までに読んでみてください!
限界グレードとは?
クライミングをある程度続けると限界グレードというものに必ずぶつかります。
- 一定のグレードから進めない。
- 現状維持しているだけという感じがする。
- 本当に上手くなっているのか分からない。
という風になってしまう人は多いはず。
4級は結構登れるのに3級からは全然歯が立たない。こんなグレードを限界グレードということがあります。
限界グレードに達すると伸びが急激に遅くなった気がしてクライミングのモチベーションが低下してしまいますよね。
特に3級で止まってしまう人は多く、クライマーが最初にぶつかる大きな壁といえます。
ジムの常連さんにも4級はいけるのに3級から出来ないという方が多いです。
僕がぶつかってきた壁(3級・1級・初段・3段)
最初に僕の経験から書いていこうと思います。
とても長い記事になってしまいましたが、同じような壁にぶつかっている方の参考になれば幸いです。
クライミングを始めて8年が経ちました。
これまでに僕は3級・1級・初段・3段と4つの壁にぶつかってきました。
同じような壁にぶつかった人が多いのか、Twitterでは多くの反応を頂けて嬉しく思いました。
3級の壁
僕が3級の壁にぶつかったのはクライミングを始めて2年目くらいでした。
当時はまだ高校生でバスケ部とクライミング部とダンス部の三つをかけもちするという謎のハードスケジュールをこなしつつ、週一ジム、週二は高校に設置された小さな壁で登っていました。
今働いているジムだと数か月で3級とか登っちゃう人もいるので自分の成長速度は速いほうではなかったと思います。
「コーラルロック」と「やまあっちゃー」という二つのジムで登っていて僕が初めて3級らしきものを登ったのは「コーラルロック」でした。
3級らしきものという表現の理由はコーラルロックのグレードは8~7級、6~5級、4~3級といった風な分け方をされているからです。
当時の僕は垂壁・スラブが大の苦手だったことに加え、クライミングっぽくてカッコいいという理由でルーフ・強傾斜ばかり触っていました。
常連クライマーがすいすい登るのを見ながら「虫みたいだ~、すげー!」と思っていたことを今でも覚えています(笑)
初めての3級らしきものはルーフをガバで繋いでいくものでトウフックやヒールフックを多用しながら登っていくものでした。
明らかに他の4~3級の課題とは違い技術的要素の大きな課題でした。
当時はとてもテクニカルで一際カッコよく難しいものに見えましたが、今ではジャスト3級くらいだったのかなと思います。
フック系の技術はクライミング感が強く、登れたらカッコいいと思い懸命にトライしました。
取り付いて3カ月ほど、10日近くトライして登れました。
めちゃくちゃ嬉しかったことを覚えています。
当時の僕には4~3級のグレードが限界グレードであり、このルーフの課題以外にも打ちのめされていたので楽しくも辛い3カ月でした。
その課題が登れたあとからは他の4~3級の課題がどんどん登れるようになっていきました。
今思うと、その3級らしき課題は僕にとっての最初の壁だったのだと思います。
3級というグレードについて深堀りした記事も書いていますので、3級で止まってしまったという方はぜひご覧ください!
1級の壁
その後、順調に2級が登れるようになり4年目の最初くらいから一年間ほどは1級の壁にぶつかりました。
2級まではどうにか登れるけど1級からは全然手が出ないということが暫く続きました。
当時は1級の壁に加えて、リーチの壁にも同時にぶつかっていました。
僕の身長は150㎝と成人男性としては相当小さく、3級あたりからリーチ的に無理と思うような課題にも出くわしていました。
保持・フィジカル・テクニックなどの自分の武器がない僕には対処方法がなく、飛んでも届かないから、そもそも持てないから、ムーブも起こせないからなど出来ない言い訳ばかりを探す期間が続き、この時のモチベーションは過去最悪でクライミングをやめようかと思うほどでした。
本当にここが限界グレードで、これ以上先に進めないという感覚でした。
強くなりたい・上手くなりたいと思いつつも登ることがしんどくなった僕は登ることを一旦やめることにしました(笑)
ジムには通っていたものの、軽くアップしてはキャンパスラングにひたすらトレーニングをしました。
足ブラでキャンパして上半身と指・保持力強化に専念しました。
当時やっていて初心者・中級者にオススメの練習方法はこちらの記事に書いていますので読んでみてください!
キャンパストレーニングに専念したのは3か月くらいです。
その甲斐もあり上半身と指はかなり強くなりました。
足が届かくてもキャンパで解決できるようになり、みんなが持たないようなホールドの小さなシワなどを保持したり、カチをマッチして距離が稼げるようになり1級でも少しずつ登れる課題が増えてきました。
キャンパスラングやフィンガーボードでひたすらトレーニングするのは故障するリスクが高いのでオススメはしませんが、僕とはかなり相性の良いトレーニングでした。
今でもキャンパストレーニングや保持トレはたまにしています。
初段の壁
1級を登れるようになってすぐに初めての初段が登れました。
具志頭にある「ちゃーがんじゅう」という課題です。
沖縄の方言で「ちゃー(いつも)がんじゅう(頑丈=健康)」という意味があります。
保持系のトラバース課題で相性も良く、さらっと登れてしまいました。
その日に「チョックストーンアタック」というルーフの初段も登れて初段に関しては大きな壁はあまり感じずに超えることができました。
課題との相性が良かったことに加え、トレーニングで保持力が一定の水準に達していたこと、外岩はリーチが無くても工夫して登れるということで苦労することが少なかったのだと思います。
初段と1級には保持・フィジカルでの差はあまり大きくないと僕は考えています。
1級が登れるようになった人は得意系の初段なら必ず登れます。
初めての初段を登る鍵は自分の武器を持つこと、1級よりもシビアさが増すので嫌な動き・保持がきたときに絶対にできるというメンタルの強さだと思います。
同じ系統の課題でも1級と初段では足位置がちょっと遠くにある、向きや保持が悪い方向でホールドがついているということが多い印象です。
その嫌な感じをグッと乗り越えるためとのメンタルと自信のある武器を手に入れられたら初段の完登は近いと思います。
僕は保持力に自信が持てていたので初段はあっさり攻略できたのだと思います。
1か月後には具志頭の「ストレートノーチェイサー」という2段が登れました。
クライミングを始めて5年が経った頃からはコンスタントに1級が登れるようになり、初段・2段にも手がでるようになっていました。
3段の壁
次は3段だと思い、一番得意そうな保持系の課題を狙いにいきました。
2段までは順調にきたため3段もいけるだろうと思っていましたが、世界が全然違いました。
僕はその課題で見事にパキッてしまい1カ月ほど登れなくなってしまいました。
その課題は今でも登れていないのでリベンジしに行きたいです。
3段が初めて登れたのはパキッて1年後、6年目にはいった時くらいです。
このグレードを登るためには保持力やフィジカル、テクニックなど多くの部分がバランス良く高水準にある必要がありました。
現状、フィンガーボードでの保持力向上はあまり見込めないと感じ、今までは適当にやり過ごしてきた足で力を逃がすという部分のテクニック強化に努めました。
そんなこんなでシーズンまでの期間を過ごし、パキったのとは別課題ではありますが3段無事に完登することができました。
とても長くなりましたが、僕はこんな感じで壁を突破してきました。
壁にぶつかるたびに足りない部分を考えトレーニングなどで補ってきました。
こんなことを経験して下のツイートのような結論に至りました。
4級、2級、2段というグレードは壁になるグレードの延長線上にあり壁を突破した人は自然と登れるようになるのかなと考えています。
同じように3級・1級・初段・3段の壁にぶつかっている人は多いと思います。
モチベーションが下がり気味、どうしたら突破出来るのか分からないという人は下に書いてある方法を参考にしてみてください!
限界グレード・壁に当たったときにモチベーションを保つ方法
経験談に書いていたようにかなり停滞していた期間もあり、クライミングのモチベーションがかなり下がっていた時期もありました。
そんなときに僕がしたことは、
- 他のスポーツをしてみる
- 一緒に登る仲間を探してみる
- 一旦、打ち込んでいる課題から離れてみる
というのがモチベーション維持に良かったのかなと思います。
他のスポーツをしてみる
高校生の時はバスケをメインにしていたのでクライミング自体が息抜きになっていましたし、クライミングで多少嫌なことがあってもバスケをしていたら忘れていました。
今でも登りが上手くいかないときはバスケ・ランニング・筋トレなどクライミング以外で体を動かして気持ちを切り替えることが多いです。
この機会に他のスポーツに挑戦してみることが息抜きやクライミングの楽しさを再認識するきかっけになるかもしれません!
一緒に登る仲間を探してみる
同じ課題に打ち込む仲間でも良いですし、全然レベルの違うクライマーでも良いので一緒にクライミングを楽しめる人を探してみるのもオススメです!
クライミングには分かればすぐ出来るパターンも多く、保持の仕方やムーブの引き出しが少ない場合はアイディアやアドバイス一つで登りが大きく変わることもあります。
僕も3級の壁に当たった際には一緒のグレードを登る人や強い常連さんがいたこともあり、色々なアイディアやアドバイスを貰えたことで試行錯誤しつつも登りきることが出来ました。
一人で課題に打ち込むことも大事ですが、モチベーションが落ち込んでいるときには誰かの力を借りてみるのも一つの手です。
ぜひ一緒に登れるような方を探してみてください。
一旦、打ち込んでいる課題から離れてみる
特定の課題に固執してしまっている場合は、その課題から離れてみて他の課題を触ってみることをオススメします。
絶対に登ると気合いをいれることも大事ですが、気合いが入りすぎてしまっているがために力みすぎて上手く登れなかったりすることもあります。
気合いをいれたのに登れなかったときはミスをした自分を責めてしまいますし、どんどんストレスが溜まってしまいます。
一旦、距離を置いてみて他の課題を触ることで新たなムーブが思いついたり、良い感じに力が抜けてあっさり完登出来たりします。
ぜひ試してみてください!
限界グレード・壁を乗り越えるために挑戦してほしい3つのこと
グレードの壁を超えるためにやること3つは、
- どんなときでも考えること
- 自分の武器を手に入れること
- クライミングを楽しむこと
どんなときでも考えること
初心者~上級者までクライミングをしている全員が意識するだけで変わる一番の方法は「どんなときでも考えること」です。
これは失敗したときだけでなく成功したときも同様です。
なぜ登れなかったのか、なぜ登れたのか、他の人と自分の登りの差はどこにあるのか考えてみてください。
トップで活躍しているクライマーは一回のトライで手に入れる情報量が桁違いです。
保持感や踏み感、距離、フリクション、ホールドの保持できそうな部分、可能性のあるムーブは何なのか、などなど本当に多くの情報を少ない回数で得ることが出来ています。
一回のトライで手に入れる情報量が多いということは質の高いクライミングをしているということです。
同じトライ数でも成長率が段違いです。
ぜひ意識してみてください!
自分の武器を手に入れること
高グレードの課題を登るためにも必須なことです。
あなたの通っているジムの常連さんにもカチが強い人、ピンチが強い人、スラブが上手い人など自分の武器を持っているクライマーはいませんか?
自分の武器がある人は、その武器を使ってグレードの壁を突破していくことが出来ます。
今、得意な保持やムーブがある人はそれらを磨くのに多少の時間を費やす価値があると思います。
同じ課題でも体型や登りのスタイルによって様々なアプローチの仕方があるのがクライミングの良いところです。
誰にも負けない自分だけの得意を探して鍛えてみてください!
クライミングを楽しむこと
結局はこれが一番大事だと思っています。
楽しめないと登ること自体がどんどん億劫になります。
でも、登れないと楽しめないと感じてしまう人がいるのも事実だと思います。
僕は失敗トライには自分が強くなるためのヒントがあると考えるようにしてから登れないということも悪くないなと思えて、楽しめるようになりました。
楽しむためのメンタル作りというのも1つのテクニックだと思います。
最近楽しめていないという方は真似してみてください!
まとめ
今回はボルダリングにおける壁について僕の経験談を書いてみました。
同じような悩みを多くのクライマーが抱えていると思います。
誰かのモチベーション向上や限界グレード突破のきっかけになれば嬉しいです。
困っていて何をして良いのか分からないという人は真似してみてください!
すぐに結果はついてきませんが継続することが大事です。
諦めずに挑戦あるのみです!
この記事がみなさんのクライミングライフをより良くしていくきっかけになると嬉しいです!
ここまで読んで下さり有難うございました!
また次の更新をお楽しみに!
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